EURO2020が終わりました。
2021年6月11日にコロナの影響を受け一年遅れで開幕した熱き戦いは、イタリアの13大会、53年ぶりの感動的な優勝で幕を閉じました。
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観客数が制限され、複雑な分散開催という方式でありながら、1ヶ月にわたり素晴らしい試合の数々が行われ、多くのドラマが生まれました。そして、たくさんの忘れられないシーンや出来事がありました。

エリクセンの奇跡的な回復、デンマーク代表の賞賛されるべき対応、シックやモドリッチのゴラッソ、オランダやフランスの衝撃的な敗退、若干19歳サカのPK失敗など、1ヶ月間本当色々ありました。

そんな中、私が今大会特に印象に残ったのは、大会を通して使用された音楽や会場演出が素晴らしかったということ。人生を通してサッカーに限らず少なくないスポーツイベントやスポーツの試合を見てきた者として、EURO2020の全体的な雰囲気の作り方は感動の域で、とにかく物凄かったので振り返りつつ紹介したい。



オープニングセレモニー
EURO2020は開会式からすごかった。
グループステージ1日目の一番最初の試合、ローマで行われたイタリア対トルコ戦の前にオープニングセレモニーが行われたのだが、大会を一気に盛り上げつつ、本当にイタリアンなおしゃれな開会式だった。

中継ではまずCGライブの様な形で圧倒的に美しいテーマ曲が披露された。Martin GarrixとBono & The Edgeによる「We Are the People」という曲なのだが、EDMであるにも関わらずエレガントさもあり、歌詞もEUROのテーマとしてぴったり。これ以上ないテーマ曲はないというくらい。そして、このテーマのあるゆる編曲バージョンが大会を通して使われるととなる。
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 この人たちかっこよすぎ
これが「We Are the People」演奏部分の動画。
https://youtu.be/JjIwYtLr8Ec

次にカウントダウンのアニメーションが入り、「CIAO ROMA」「CIAO EURO」というネスタとトッティの挨拶と共にセレモニー開始。
マーチングバンドが演奏をし、欧州各国の国旗を模した風船のような球体が登場。宙には太鼓叩きの人たちが。ここらへんのエレクトロニックなBGMがなんとも良い。

そして、リアルな会場の映像とともに中継ではCGでたくさんの風船が登場、EUROで一貫しているカラフルな色彩の花火がスタジアム内であがり、イントロが終了。

ここからが本番で、アンドレアボチェッリが登場。曲はNessus Dorma。トゥーランドットの名曲である。
美しい歌声の中、後ろでは国旗の球体が集合し、一体となって天に昇ってゆく。曲の最後はまさに圧巻で、スタジアム内外で色とりどりの花火が無数にあがり、最高潮に達する。ボチェッリの美しいビブラートとともに花火が一斉にあがり、セレモニー終了。なんともイタリアンな、感動的で上品な開会式であった。

UEFA公式がYoutubeで公開していた。見てみると良い。
https://youtu.be/ClY_7f4sYj4



毎試合の前
EURO2020の素晴らしいところは、開会式や閉会式だけでなく、毎試合ごとの演出、音楽も素晴らしいところである。これによって大会1ヶ月間を通して毎試合感動や興奮が生まれ、全く飽きのこない、極上の体験であった。

まず、どんな試合でも最初に行われるのが選手入場であるが、その入場曲が素晴らしくて、大会テーマ曲「We Are the People」のオーケストラ、コーラス編曲バージョンが使われていた。このバージョンは基本的に歌詞はなくて、サビの一部分だけコーラスが入る感じ。
何がすごいかって、「We Are the People」がバリバリのEDMであるにも関わらず、この編曲がオーケストラ中心で、サビのメインの部分はトランペットで演奏されていることである。そしてオリジナルも編曲もどちらもめちゃくちゃ良い。
ただ少し残念だったのが、この選手入場曲は試合のよってかけるのを忘れたり、かけるタイミングが遅くてフルで聴けないこともあったこと。実際このバージョンをフル聴けるのはレアで、フルで聴けた試合はラッキーだった。

選手入場の直後には国歌斉唱があって、これはヨーロッパ各国の華やかな国歌をたくさん聴ける良い体験でした。
個人的にはやっぱりフランスのラ・マルセイエーズは良いなと思ったのと、イタリア国家のラストはめちゃくちゃ激アツ。

国歌斉唱後は選手が配置につくのだが、その間に中継ではフォーメーションイメージの映像が流れる。この時の音楽はシリアスな感じのBGMで、これもいよいよ試合だという緊張感が出てすごく良かった。

この後試合開始なのだが、ホイッスルを吹くまでの十数秒間の間になんとオリジナルの「We Are the People」を流してしまうというサービス精神旺盛ぶり。最後にもう一回盛り上げて試合に入る。

この一連の行程が毎試合あったので本当に毎回楽しく、めちゃくちゃ良かった。
一つ述べておくべきなのは、この一連の行程や選曲が通常のサッカーの大会とは違っていてユニークということである。通常、リーグ戦やワールドカップなどで使用される曲というのはある程度きまっていることが多く、例えば「Seven Nation Army」などは本当に頻繁に使用され、ある種定石になっている。それに対してEURO2020はとにかくテーマ曲の「We Are the People」を積極的に押し出していて、編曲などを含め確認できただけでも何種類かは存在している。あとは試合開始のホイッスル直前でも流してしまうなど、そういった意味で今大会はユニークで良かった。



クロージングセレモニー
イタリア対イングランドの決勝戦前に行われた閉会式。これも良かった。
オープニングセレモニーでは感動やインパクト、上品さが特筆していたが、クロージングセレモニーではとにかく興奮や熱意が前面に押し出され、Martin Garrixの数々の楽曲とともに展開された。

閉会式の前後にはおそらくビッグベンの鐘の音を意識したチャイムがなり、ピッチの一面には黒いシートが引かれ、真ん中にはEUROのトロフィーの巨大オブジェ、周りでダンサーたちが踊り、Martin Garrixの名曲メドレーを聴くある種ライブのような雰囲気であった。セレモニーを通してMartin Garrixの歌の良さが光っていた。

そして「We Are the People」の美しいオーケストラバージョンがここでも聴こえ、黒い膜が剥がされピッチが露わに。
そして前回大会で決勝ゴールを決めたエデルがトロフィーを持って登場。この時流れていたのはおそらく決勝用に用意された第2の編曲バージョン。めちゃくちゃ感動的だった。



トロフィー授与
試合のことは割愛するが、劇的なイタリアの勝利だった。
ここからのトロフィー授与がまた圧巻で、改めてEURO2020の会場演出には脱帽してしまった。

イタリアの各選手がメダルを順々に首にかけてもらい、そのあとトロフィーを皆で持ち上げるという、欧州サッカーのあらゆる大会のトロフィー授与式でよくある流れなのだが、ここで流れる音楽がもはやあるあるとなってしまっている「We Are the Champions」とかではなく、決勝用に用意された「We Are the People」の美しい編曲であった。
とにかく大会テーマ曲に忠実で、それを美しい形でパッケージする、一貫性のある感動的な会場演出が最後の最後まで行われたのであった。
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トロフィーリフトがひと段落した後、選手がファンと喜び合ったり余韻に浸ったりする中、流れていたのはColdplayの「A Sky Full of Stars」。この選曲も素晴らしい。
Coldplayのクリーンなサウンドは、最高に熱くて楽しかった大会が終わってしまう名残り惜しさを感じつつ、だけどネチネチしすぎないスッキリとしたあと味が広がる素晴らしいエンディング曲で、運営は本当によくわかってるな、という感じだった。



大会通じた感想
スポーツの大会って、優勝することが最高の栄誉であり、栄光であるということが必須である。その栄誉や栄光が頑張ろうとする動機にもつながるし、人々が金を払って見たいという価値が生まれる原資になりうる。

例えば、オリンピックであれば金メダルを獲得することには至上の栄誉があるし、UEFAチャンピオンズリーグではCLのアンセムやビッグイヤーの獲得が圧倒的価値を引き立てている。

そういう中で、EUROというのがトップクラスの大会であるとは思うが、ワールドカップ、オリンピック、UCLクラスの格や誉が伴っているかは正直微妙なところでもある。
それを一気に引き上げ、感動や栄誉を倍増させるには、感情に訴えるしかない。心に直接響かないといけない。

今回「We Are the People」という美しい楽曲が提供され、それをもとにあらゆる編曲がなされ、色々なところでしつこいくらいに使用されたのにはこういう背景があると思うし、感動や栄誉を人々の心に直接届けることにある程度成功したのではないか。

先ほどオープニングセレモニーの動画をリンクしたが、コメント欄を見てほしい。実に多くの人々が「I get goosebumps(私は鳥肌がたった)」や「this song will be legendary(この曲は伝説になる)」などと言っている。確実に人々に感動は届いたのである。


コロナを乗り越え、あらゆる制約がある中でも大会を成功させ、感動とドラマを届けた運営には本当に感謝しかない。
実に素晴らしい大会だった。4年後も期待したい。


それでは。 



Youtubeもご覧ください ↓チャンネル
My12Parsecs コロナ明けに欧州旅

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